Web技術、IT芸人、雑用係 〜 自身のこれまでのキャリアをふりかえった
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社内向けの読み物の転載
「ロートルのキャリアを知って同じ轍を踏まないように気をつけような!(曲解)」っていう社内企画でたまたま書いた原稿の転載です。自分のキャリアを振りかえることはあっても、テキストにまとめる機会は稀なので。
このブログの肥やしか、あわよくば誰かの肥やしになれば。社内向けの表現や一部の内容はセルフ検閲して編集済みです。
現在の仕事
所属する管轄におけるエンジニア向けの人事と開発が主な仕事で、そのほかマネジメント業務の一環で面談やSlack活動にいそしんでいます。
人事としては、所属の技術人事室長として、育成、採用、評価、昇格などエンジニアの人事施策に携わっています。管轄内の主立った部署のエンジニアリングマネージャーと横軸で連携を取る一方で、オペレーションを担う事業部人事とも密にコミュニケーションをとっています。
開発については入社以来、新規事業の立ち上げに関わることが多いです。関わり方は案件によって異なりますが、現場でWeb開発をリードしたり、他のリーダーの元で開発をしたり、見守りマネジメントに徹したりしています。
現在のキャリアやロールになった経緯
1. Webデザイナーをやりたかったはずが零細企業の何でもエンジニアに
もともと地元の名古屋でWebデザイナーとして就職したかったので、デザイン関係の勉強をしていました。そんなときに「バイトしない?」と声をかけてくれた前職の社長に、「佐藤くんPHP書きなよ」と言われてプログラミングを学びはじめたのがエンジニアになったきっかけでした。3年ほど勤めましたが、その間にPHPだけでなくJavaScriptを書けるようになったり、VPSやネットワークの管理などを行ったり、太古のSQLをEXPLAINしたり、客先への画面仕様提案をしたり、今風に良く言えばフルスタックエンジニアをしていました。
2. 転職ついでにWebフロントエンド専業に転向
地方の勉強会で知り合った人から「2年間で100のサービスをリリースするんだけど、人足りないから来て!」と誘われたのがサイバーエージェントに転職したきっかけでした。渋谷でランチ面談と面接を済ませて名古屋に帰ってきたと思ったら、その日のうちに電話で内定通知と額面オファーを受けたのを覚えています。発展途上の只中にあったWebフロントエンド界隈が技術的に面白かったこと、自分の専門領域をつくりたかったこと、東京で腕試ししたかったこと、そういう理由をひっくるめてサイバーエージェントではWebフロントエンド専業に転向しました。
ここからは3つの軸に分けて入社後の経験を書き連ねます。
3-1. Webフロントエンドエンジニア軸
入社後担当したWebサービスの開発を通して当時、それほど一般的ではなかったシングルページアプリケーションを設計・開発したり、モバイルブラウザの理不尽なトラブルシューティングをしたり…Webフロントエンドについて非常に多くの知識や経験を得ることができました。
Webフロントエンド技術の変遷を間近に感じつつ開発経験を積むことができたのは、専業として参入するタイミングが良かったと思います。その後もいくつかの新規事業の立ち上げを経験しています。最近は開発以外の業務比率が上がっていることもあり、ほかのリーダーのサポートに回ることが多くなっています。
3-2. ただのWeb好き、またはIT芸人としての軸
入社当時、サイバーエージェントでは「Frontrend(フロントレンド)」というWebフロントエンドの勉強会を催していました。「Frontrend」を運営していたコミュニティは、まさに”切磋琢磨”という言葉が当てはまる集まりでした。運営メンバーだった私もIT芸人として、全国各地でイベント登壇や技術書の執筆に積極的に取り組み、社外発信にかなり力を入れていました。
2016年に立ち上げた「Web Initiative Center」は、社内Webプロダクトの品質向上やチャレンジ強化のために活動を開始しました。活動の在り方は徐々に変化していますが、社内Webコミュニティとして今も機能していて、パフォーマンス向上意識やアクセシビリティという概念を社内に啓蒙し、社外へのプレゼンスを高めるきっかけになったと思っています。
近年では「Inside Frontend」というWebフロントエンドのカンファレンスをヤフー社や日経新聞社と3回ほど共催しました。社内におけるWeb系マネージャーとしての責任感と、社外でWeb技術のIT芸人として活動する中で感じていた課題感など、いろいろが結びついた産物なので思い入れのあるイベントです。
3-3. 技術人事、またはマネージャーとしての軸
入社後程なくして事業部のWebフロントエンドエンジニアの評価と育成をサブミッションとして拝命したこと、そして、それを任じた上長が異動するタイミングで私が全て引き継ぐことになったことが転機でした。それから数年の間、社内の技術水準を上げることやメンバーを適切に評価するための仕組みづくりなど、決してやり切れたとは言えないものの、横軸活動に励みました。
最初からマネージャーや人事を志向していたわけではありませんが、自分が所属する組織をもっと良くしたいという意識が徐々に醸成されていったのだと思います。その後、開発組織のマネジメントや、社員参加型の経営会議で自ら提案した技術人事室の立ち上げというキャリアに繋がっています。
4. 機会と経験をつないだ結果論のキャリア
そして今のような仕事や役割をするに至っています。
You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something – your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life. Steve Jobs - You can't connect the dots looking forward;...
最近教えてもらったSteve Jobs氏の言葉の引用です。さておき。
私は「なにかを目指さないと成長しない、価値がない」という価値観を唯一と信じるのは、健全ではないと考えています。「目の前のできることを着実に積み上げ、これまでの偶然の機会や経験をどのように繋いで形にして、今このとき何を見いだすのか」が、不確実さや曖昧さが指摘される現代でキャリアを形作るために必要な姿勢ではないでしょうか。(スパッと信じられる道が決まっていて邁進できることは、それはそれで素晴らしいです)
仕事において大切にしている価値観
変化を楽しむ、変化を生み出す、変化し続ける
社内の偉い人も似たようなことをおっしゃっていような気がしますが、二番煎じではなくてですね・・・共感いたしております、はい。特に「変化を生み出す」ことは、自分の行動が他人の行動に影響し、促し、より広い世界を変えることにつながるので大切にしています。
スゴイと思っている他のエンジニア
社内でスッと浮かんだのは████さん、████さん、███さんのお三方です。断じて順不同です。同じチームで働いたことがある人しかリアリティがないのでこのような人選でございます。
リスペクトの方向性としては、人格、多芸、俯瞰力、仕事が上手、自分にない能力がある …などなどです。気になった各位は、それぞれ実物のお三方と握手!
次に目指そうとしているキャリアやロール
今の時点で明確に決めているものはありませんし、Webの専門家として振る舞うことは、優秀な同僚に囲まれている昨今あまり執着していません。希少性という観点で人事やマネジメントを活かすキャリアを伸ばすほうが、バリューが出やすいかなとは考えています。次の転機がやってくるのをじっくり待ち構えつつ引き続き励んで参りたい所存です。
WEB+DB PRESS で優秀な同僚たちと新連載も始めるのでこちらもよろしくお願いします(完全にただの宣伝)
#wdpress でひっそりと Web の品質とユーザー体験にまつわる連載が始まりまして、同僚と持ち回りながら全5回予定でやっていきます???? https://t.co/U0ZPEjDxlD
— (・∋・) (@ahomu) June 14, 2021