インクルーシブ HTML + CSS & JavaScript の読書感想文(&推薦コメントを書きました)
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インクルーシブ本の出版おめでとうございます
HTML + CSS & JavaScript が式に見えて、どこかをカッコで括らないと落ち着きがないのですが、私だけでしょうか...。
さておき、インクルーシブHTML+CSS & JavaScript 多様なユーザーニーズに応えるフロントエンドデザインパターンのご紹介です。
恐れ多くもカバー裏に推薦コメントを寄せさせていただいたご縁もあり、恵贈賜りました。
コーディング Web アクセシビリティに続いて Heydon Pickering 氏の訳書です。原著の軽妙な語り口とユニークすぎるジョークの訳に苦労するような趣もあったようですが、読み手としては軽く読めるのでわりと好きです。
推薦コメント ≒ 読書感想文
一見して見慣れない「インクルーシブ」という主題だが、フロントエンド開発の本質をよくにとらえている。利用環境がどのような条件下にあっても使用に耐えうる堅牢な実装は、サービスやコンテンツの価値を最大化するために不可欠である。本書が取り扱う事例は決して新奇なものではない。しかし、一般的な事例を「インクルーシブ」な視点から再考することによって、優れたフロントエンド開発者のみが実践してきた秘伝を学ぶことができるはずだ。
...というような推薦コメントを、恐れ多くもカバー裏に書かせていただきまして、これが実質上の読書感想文であります。ごちそうさまでした。
初学者にも中上級者にも推薦できる内容
普段なにげなく実装している一般的なテーマについて「なぜそうすべきなのか」を踏まえながら、インクルーシブな実装が丁寧に解説されています。
その中で、今後のフロントエンド開発者が身に付けるべき基本的な考え方を学ぶことができるので、初学者にもオススメできる本ですし、中上級者であっても普段の実装を振りかえるきっかけになる本だと感じました。
考えるきっかけとして
著者である太田さんがご自身の記事でおっしゃっていますが
なお、この本で語られている実装方法は、あくまで方法のひとつでしかないことに注意してください。他にもさまざまな方法がありますし、他の方法がダメだというわけではありません。さまざまな方法にはそれぞれ一長一短があり、原著者の主張する実装方法にも長所だけでなく短所があります。この本の実装方法をベースに、短所について議論していただいたり、より良い案を出していただくのも良いでしょう。「この方が良いのでは?」といった感想を持たれた方は、ぜひ共有いただき、議論を深めていただきたいと思います。 「インクルーシブHTML+CSS&JavaScript」11月4日発売予定 | 水無月ばけらのえび日記
というようなことで、どのような実装が求められているのか?という都度判断のトレーニングとして、本書を通して考えを深めてみることも良さそうです。
クライアントサイドの多様性と向き合うという共通点
私の得意分野はパフォーマンス、Web の速度改善に関係する領域ですが、これもインクルーシブデザインと同様に、クライアントサイドの多様性と向き合うことが重要です。
たとえば、Web のページロードパフォーマンスを考えるときは前提として、低スペックなデバイスでも、低速な通信環境でも、さまざまな OS やブラウザを想定しつつ、より多くのユーザーにとって快適に閲覧可能な速度を提供することを第一に考えます。
対応、非対応の二元論ではなく、快適に利用できる可能性を高めるために、クライアントサイドの多様性と向き合い続けることの重要さは、インクルーシブにせよアクセシビリティにせよパフォーマンスにせよ本質的に共通する視点です。
そのあたりのことは上記の パフォーマンスはなぜ重要なのか? - 目先の UX(?) にとらわれないクライアントサイド開発の本質 で述べていたりもしますが、ともかくそういうことです。
ということでおすすめでした
以上であります。次は自分たちの書いた #超速本 a.k.a #チョッパヤ本 の宣伝記事を書かないといけません......。