フロントエンドエンジニアのための現在とこれからの必須知識 の読書感想文
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入門書ではなくアップデートのための一冊
(率直に言って)大きく出たなー!!というタイトルの本書。献本いただいたので所感を示す次第。今回は @cssradar パイセンが編集をつとめ、@hiloki や @pocotan001 も原稿を書いている期待の一冊。
入門書ではなく、網羅的な知識をアップデートするための一冊です。
フロントエンド技術に関する網羅書
フロントエンドエンジニア向けの網羅書としては自分も参加したフロントエンドエンジニア養成読本が脳裏をよぎるわけですが、本書はその2016年版という趣も漂う構成でした。養成読本よりもサラっと読める感じもします。
特色としては、Git やビルドツールといった足回りの網羅や、デザイン・UI・アクセシビリティなどのフロントエンドエンジニアらしい分野への言及が丁寧だった印象です。
ECMAScript や HTTP/2 といった過渡期にあるトピックも過不足なく触れられています。そのあたりは養成読本よりも、新しい技術を積極的に紹介しているように思いました。
個人的には、道具の背景にある思想にもうちょっと触れられてると面白かったなという雰囲気
継続的な学習
いい加減聞く方も言う方も飽き飽きしている問題ですが、フロントエンド技術の変化が早い問題。
本書の冒頭でも触れられていますが、固有の道具を使いこなすことに固執せず、継続的な学習を通して本質的な問題解決力を得ることは非常に重要な成長戦略です。これはフロントエンドに限らず、IT業界のエンジニア全般に言えることでしょう。
定期的なスナップショットを摂取するための一冊
とはいえ、学習のために広い範囲の技術に関して常にアンテナをはることは容易ではありません。
だからこそ本書のように、その時代のスナップショットとして網羅的に集約された情報を定期的に摂取するのは効率がよいアプローチと言えるでしょう。
本書一冊で長く戦えるわけではありませんが(どんな本でもそりゃそうだ)、2016年初頭のフロントエンド技術を広く知る手がかりとして、有用な一冊だと思います。ということでピンと来た方はポチると良いのです。
定期的にこういうスナップショットを書籍として出すエネルギーが業界にいつまで残るのか、という気持ちがありけり。書籍って、まじエネルギーいるよね....。