読了ハイパフォーマンス「ブラウザ」ネットワーキング
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読書感想文
オライリージャパンさまのご厚意でハイパフォーマンスブラウザネットワーキングを頂戴しましたので、読書感想文をしたためる次第。
こちらの本は、少なくとも1年くらい前からHigh Performance Browser Networkingとして、Webで無料閲覧できていたのですが、このたび訳書が出るとのことで、個人的にも楽しみな本でした。
去年、外のイベントで行ったWebパフォーマンス系のセッションでも、たくさん参考にさせていただいてます
HPBNj ですって
5月16日発売の『ハイパフォーマンス ブラウザネットワーキング』の書籍ハッシュタグは #HPBNj です。情報共有にご活用ください!
— oreilly_japan (@oreilly_japan) May 12, 2014
対象者
ブラウザベースのWebアプリケーションに関わる全レイヤーのひとが読むべきです。
反面、やっぱりハイパフォーマンス「ブラウザ」ネットワーキングなので、ネイティブ専門な人とかは、他の本でも良いかも。あと、同じブラウザ系でも、サイト制作な方面にはやや敷居が高い印象。
良いところ
基礎技術(TCP/TLS etc)から見たネットワークの話と、ブラウザ(仕組み・API etc)から見たネットワークの話がバランス良く解説されています。
本書でも詳説されていますが、ワイヤレス・モバイルのネットワークが発達してきた昨今、技術者としてネットワーク周りの知識にまったく疎いままでは苦しい状況になっています。
どのような仕組みでクライアントとサーバーが通信をし、どこにボトルネックやオーバーヘッドが存在するのか。本書を読むことで、HTTP2.0のような次世代プロトコルのアプローチと合わせて、ネットワークの知識を広くおさえることができます。
教科書
個人的には過去に、Webを支える技術でHTTPやURLについて多くの学びを得ました。当時なにもかもに拙かった自分は、いつも作っているWebシステムの根っこに近いところを知れたので、とても良書だった覚えがあります。
同様に、本書もこれからの時代に押さえておきたい根っこの話として、若手に限らず知識をちゃんと補強しておきたいフロントエンド・エンジニアにとっての教科書になりうると思いました。
ほか所感
んー・・・、思ったより値段(¥4,000 + 税)ちょっと高い? 内容的は濃いので、対価としては安いくらい。
あと、特に前半はキソムズカシイ話なので、軽い興味で正面から読むと、心が折れてしまいそうな印象。TCPやTLSなど、概要は知ってるけど…くらいの知識レベルだった自分には、ちょうどよい読み応えで勉強になりました。
心が折れそうな人も、クライアントとサーバー間の最序盤のレイテンシの話は読んでおいたほうが良いと思います。あとは拾い読みとか索引読みをするとして、3部のHTTPとかブラウザブラウザしい話から入れば問題なさそうです。
低レイヤーの話が元から当たり前なエンジニア層は、逆にブラウザブラウザしい話のほうが目新しく感じられるかも
読もう
立ち読みで分かった気になるにはヘヴィーな分量なので、購入してしっかり読みましょう。
と思ったら、Amazonの在庫は枯渇しているようです。
O'Reilly Japanのショップなら、電書含めて普通に売ってるかしら。