CMS Conference 2008(午前の部)
Posted: Updated:
午前の部の話です
■基調講演:急速に変化するビジネスとWebを支える情報基盤 講演者/株式会社キノトロープ代表取締役 株式会社キノトロープスリーイント代表取締役:門別氏
- プレゼンの巧みさ この講演が一番興奮した。私自身が初っ端でテンションを保っていた、というのもあるかもしれないけれど。ノリが良いわけでもなく、淡々と興味深いトピックスを披露してくれる。なんだこれはーー。すげーーーー。 スライドは文章的で読むためのモノであり、時にはモデル化された図表がでてくるが、やはり直感的な理解のためではない。トークはスライドを読まない。たまにトークがスライドに帰ってくる。そして読み込みを必要とするスライドの意味が、トークの内容と一瞬重なったときに一気に理解が広がる。これは私が凄い人という肩書きに飲まれただけではないと思いたい。
- WEBによるブランディング WEBブランディングの醸成に関する話。ブランディングの構築自体は、マーケティングの本とかで(言葉の上では)語り尽くされる話なので割愛。 ただ、WEBの場合は対費用効果が高いのが注目点。大々的なプロモーションがなくても、ユーザエクスペリエンスを提供することができる。魅力がある限りは、ユーザ自らが指向性を持って求めてくる。 実存であれば、例えば店頭という中継媒体があってはじめて、ブランドとユーザが結ばれるが、WEBであれば実存を無視してユーザに直接、高速なブランド訴求を行うことができる。
- マルチエントランス構造 どこから入っても、ユーザーの問題解決に貢献する構造
- 圧倒的集客力
- 成果へのコンバージョンを劇的に向上させる
- 運用の効率化
- ブランド構築(※ユーザーの問題解決に際するエクスペによるもの)
- ビジネスニーズに応えられるCMSの運用 企業の情報基盤として機能しうるCMSが求められる。実存のビジネスシステムにCMSが食い込むほどに、組織内でWEBに触れる人間は増える。そこで、コンテンツの編集権限や承認など、それを効率化する実存のワークフローとそれを支えるシステムが必要になる。先述のユーザーニーズに合わせたコンテンツ提供を実現するためには、実存のワークフローによって迅速な管理が成されなければならない。 CMSに関してWEBの開発側は、経営計画やビジネスシステムへの理解が必要になる。企業にとってWEBは特別なものでなく、実際に利益をもたらすものとして提案できないと意味がない。同時に企業側のリテラシーの充足も必要性を増してくる。
//
■ワーキンググループ研究発表:サイトの目的によって適切なCMSを選ぼう[CMS導入A to Z] 出演/特定非営利法人 日本ウェブ協会:CMSワーキンググループ
CMSはCMSという言葉によってひとくくりにされ、各製品の特徴や適性に対する認知不足があり、有効な利用に結びつき切れていない。 そこで、CMSを予算や用途によって分類し、導入を検討しているユーザにRFPの提案を行うあたりまでが当面の活動目標。現在は類型を構築中の段階。
今回は、予算および用途を連動させて、C(初期)~A(高度)の企業におけるCMS運用状態を仮定し、それぞれの段階における課題と、それらを解決するCMSの機能程度の提案をしていた。 この講演により、CMSはビジネスシステムと融合し、次の課題が浮上した時点ではじめて拡張されうる物であるという認識を得た。つまり、運用段階の低い企業の中でいきなり高度なシステムが必要とされるということは、ほとんどありえない。 もっと細かく説明なさっていたが、大雑把には以下がターニングポイントになる。
C~B:ワークフローサポートの有無 B~A:経営企画に影響するほど高度なリテラシーの有無
高度になるほど実存のワークフローに影響することになり、CMS単体のコストだけでなく、人間の運用ガイドラインによって発生する各種コストも検討する必要がある。