社内で Web アクセシビリティ勉強会を開催した
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アクセシビリティの社内啓蒙
8月9日、Web Initiative Center による社内啓蒙活動の一環として、社内勉強会を開催しました。個人的なレポートです。会社のブログは誰かが書いてくれると言っていた気がするんだが...だが...。
ゲストスピーカーとして @bakera さんと @magi1125 さんにお越しいただきました。みなさんもご存じなアクセシビリティのピンク本の著者でもあるお二人です。
このお二人に直接お話を伺えるのは、うちの社員にとって貴重な機会だったと思います。懇親会でもたっぷりとアクセシビリティに関する意見交換やら社内事情を踏まえた相談やらをさせていただきました。お二人とも本当にありがとうございました。
参加者としては大半が Web フロントエンド従事者でしたが、デザイナーやサーバーサイドエンジニア、ディレクターの参加もちらほらありました。ありがたいことです。
スピーカー各位、参加者各位、運営サポートいただいた各位、皆々様本当にありがとうございました。この場を借りて改めてお礼させていただきます。年末か年明けくらいに、第二弾やるからよろしくお願いしますね!!
各位の発表タイトル
本編はゲストスピーカー&社内スピーカーで、ひとり 15 分のセッション * 6 をノンストップでやる荒っぽいスタイルで行われました。座学形式ではありましたが、みんな関心高く話を聞いてくれていたようで良かったです。
- アクセシビリティガイドラインの見方・使い方(太田さん)
- 15分でわかるMobile Accessibility(伊原さん)
- WebアクセシビリティとSF(S竹さん)
- 一周回って知らない話 アメブロ篇(O塚さん)
- アメブロをスクリーンリーダーで読み上げてみた ~2016年夏~(ヘラさん)
- WAI-ARIA in FRESH! & AbemaTV(あほむ)
懇親会では寿司とピザとドリンクが振る舞われ、みんなアクセシビリティについてセッションを通して感じたことを話合ったり、寿司うまいって言ったり、ビールおいしいって言ったりしてました。
自分の資料、使っている HTML スライドライブラリ的にボイスリーダーだとかなり読みづらそうですが今日のところは勘弁してください!
アメブロではユーザーテストや対応実装の活動が始まった
今回の発表で紹介されましたがサイバーエージェント社内でも、全盲の方にご協力いただいてアメブロのユーザーテストを行ったり、モバイル版がスクリーンリーダーに対してフレンドリになるよう調整したり、各種の取り込みが始まっています。アメブロのように影響の大きいプロダクトについては今後一層、組織的に取り組んでいきたいと考えます。
またアメブロ以外の各現場でも、実装レベルで気を遣えるポイントは、今回の勉強会で意識の高まった Web フロントエンドエンジニア各位が実践してくれると期待しています。
今後は取り組みの拡大と、評価される体制作りを整えたい
今回の勉強会を含めて、社内的に良い流れができつつあるので、今後は取り組みそのものを開発者だけでなくディレクターやデザイナーにも拡大していきたいところです。
また、取り組みを拡げるのと同時に、アクセシビリティに関する取り組みが社内的にも評価される体制を整えていきたい所存です。社内的に評価、というのは会社として価値を認めて、各位の成果として評価し、適正な対価を還元できれば最高ということです。作業者の善意だけでは限界があると考えます。
アンケートの結果(一部抜粋)
元々匿名でいただいているアンケートなので、差し障りない範囲で下記に公開します。
これでも割とごく一部なのですが、座学の勉強会にしては熱いコメントが多く寄せられていて、関心の高さに正直おどろいています。やはりアメブロのユーザーテスト動画はインパクト強かった模様。
- アクセシビリティという単語は聞いたことがあっても、実際なにをどこまで調べればいいのか分からなかったのですが、これを見ておけば大丈夫という事がわかり大変勉強になりました。歴史についてもとても興味深かったです。
- 今までやっていたこれもアクセシビリティだったのかという発見もあり、全体的に実装によった話でイメージがしやすかったです。そして実装者の問題だけでなく、ビジネスサイドの人間もきちんとアクセシビリティを考える事が大事で、それがより良いサービスを作っていくという事なのかなと思いました。
- マシンリーダビリティなサービスがスケールする、という視点がとても良かったです。ポエム部分も攻殻機動隊やSWなどSFのお話でとてもわくわくしました。パラリンピックに関しても、技術の成長スピードのすごさを感じました。今出来る事をやる事が未来に繋がっていくという話もとてもよかったです。
- いい話だった。アメブロ使ってもらった動画、良い意味でショッキングな映像なので、皆に見せたい。
- 全盲ブロガーの方の話が衝撃でした。障がい者の方の意見を目にする機会がないので大変参考になりました。
- 黒歴史とおっしゃっておりましたが、とても良い話でした。実際にお話を聞いてみる動画もとてもリアリティがあり、あれが現実なのだな、と思うと今すぐ出来る事をしていかなければ、と思いました。
- 具体的にどういうところが問題点かわかりやすく、一度担当サービスを見なければ・・・と思いました
- こんなに「今後深めていきたい知識」として自分ごと化できた勉強会は久しぶりで、とても刺激的でした。 お寿司おいしかったです。食べやすいし最高。
- これまでWeb アクセシビリティにきちんと向き合った事がなく、事前知識もあまりない状態で参加したのですが、想像以上に興味深い分野であり、きちんと向き合うべきだという危機感みたいなものがありました。開発的視点だけでなく、ビジネスサイドとしても非常に考える事が多かったです。開発者の方に任せきりにするのではなく、ビジネス側の人間としても何か出来る事はないのか、出来る事があればやっていきたい、そう思います。登壇者の方の熱量がすごく、とても良い勉強会でした。またこういった機会があれば嬉しいです!
次回は VoiceOver/Talkback の目隠し体験会です
ちょうど今週末に、VoiceOver/Talkback を使ってスマホを操作してみる会を実施します。発端は盲目のiPhoneユーザーに聞いた、視覚を使わない驚きのスマホ操作術 | スタッフブログ | マイネ王という記事です。
VoiceOver/Talkback の社内体験会、我々がそれを使っても思った通りに操作できないであろうことは明白ですが、まずは体験してみて、それを踏まえてどのようなアクションを取り得るのか考えるきっかけになると良い。
— あほむ (@ahomu) August 29, 2016
今回はデザイナーやアプリエンジニアも多く参加するので、実装技術 (web がどうとか) に依存しない本質的な議論ができるのではないかと期待しています。
最後にエビデンスの主張
全員に行き渡るほどではありませんが、それなりの冊数を主要なプロジェクトに配布しました。:)
アクセシビリティのピンク本が届き始めました (まだ全部じゃない) pic.twitter.com/Rhz66ABEG4
— あほむ (@ahomu) July 22, 2016
ピンクのアクセシビリティ本、エビデンス第二弾です。ご査収ください。 pic.twitter.com/IcvG7TP9YY
— あほむ (@ahomu) August 3, 2016